指揮者 中井章徳オフィシャルサイト

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Mission

「演奏・研究・教育」の三位一体

世界にはたくさんの音楽がある。
音楽は娯楽にもなり得るが,芸術という人間の高次な精神活動にもなり得る。

クラシック音楽は,再現芸術とも呼ばれる。
演奏家は楽譜を見つめ,作曲家に寄り添う。
作曲家が音で描こうとした世界を楽譜から読み解き,響きを創り上げていく。

「楽譜に書かれたこと」はもとより「楽譜に書ききれなかったこと」を推察する力が求められる。
それは「文章の行間を読むこと」や,事実や証拠,アリバイなどから真相を解明する探偵の作業と似ているかもしれない。


古代ギリシアの哲学では「音楽は宇宙の調和を響かせ,人間の徳を高める」と考えられた。音楽芸術には人を教え導く力—教導力—がある,と。

ミューズの神は問う。
「汝は音楽家として,何を響かせるのか。どのように響かせるか。」と。

答えがない世界,終わりがない世界。

どこまでいっても完成することがない永遠の未完成…。
だからこそ,真理を思索・探究し続ける意義がある。
人は自分の知らないことや自己の内側にないものを表現することはできない。
だからこそ,「演奏」には多方面の「研究」が必要になる。


音楽の扉の向こうにはまだ知らない世界が拡がっている。
「もっと知りたい」「もっと学びたい」という気持ちは,知的好奇心の冒険の始まり。
そこには常に発見や感動,謎や閃めきがある。

自ら学び,教わり,探究し,伝える。
それらを分かち合うことで心が育まれる。

「真・善・美」から生ずる「演奏・研究・教育」を三位一体とした活動を大切に,指揮者として歩み続けていきたい。

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